感染症患者の搬送の基本
  • 感染症
Date:2024/01/19

感染症患者の移送・搬送方法と安全対策用品を紹介!2次感染と感染拡大を防ぐために

新型コロナウイルスなど感染症のパンデミックが発生した場合、医療従事者は感染症患者を医療機関へ移送・搬送する場面が多くあります。

医療従事者は、移送・搬送時の2次感染リスクが高く、適切な感染対策が行われていないと、感染拡大につながってしまう危険性があります。

本記事では、感染症患者の適切な移送・搬送方法と、患者移送・搬送時にスタッフの安全を確保する対策用品を紹介します。

感染症患者の適切な移送・搬送方法を知り、2次感染と感染拡大を防ぎましょう。

 

感染症患者の移送・搬送の基本

医療機関に感染症患者を移送・搬送する際の基本的な考え方は、以下の3点です。

 ・感染源対策:適切な個人防護具の着用等により、移送・搬送スタッフの感染防止を図る
 ・感染経路対策:患者との接触や体液等への曝露(ばくろ)を避ける
 ・感受性対策:移送・搬送スタッフの健康管理を十分に行う

特に感染経路対策においては、患者の人権に最大限配慮する必要があります。

また、移送・搬送中の患者の状態変化に対応できるよう必要な医療機器や薬剤等を準備して、速やかかつ安全に移送・搬送することが求められます。

これらの感染症患者の移送・搬送では、直接対応しているスタッフの感染リスクが高くなります。
そのため、まずはスタッフを守るための対策を立てておかないと被災者の移送・搬送もうまくいかないということを理解しましょう。

参照元:2 移送に関する基本的な考え方(厚生労働省感染症の患者の移送の手引きについて)

 

感染症患者の移送・搬送方法

感染症患者の移送・搬送方法

感染症患者の移送・搬送方法では、患者と移送・搬送者の両方を感染から守るため、マスクの着用や換気、消毒など適切な対策が必要です。

厚生労働省は「患者移送後は原則として移送車内を消毒し、移送車を介した感染拡大は絶対に避けなければならない」と記載しており、移送・搬送後の感染予防対策が必須です。

感染症患者の移送・搬送方法における必要な機材、移送・搬送時の留意点、移送・搬送後の消毒について紹介します。

参照元:3 移送の実際(厚生労働省感染症の患者の移送の手引きについて)

 

移送・搬送に必要な標準的機材

移送・搬送に必要な標準的機材

感染症患者の移送・搬送時に必要な標準的機材は、以下の4点が挙げられています。

 ・標準予防策に必要な個人防護具(手袋、ガウン、マスク、ゴーグル等)
 ・消毒用エタノール、次亜塩素酸ナトリウム等の消毒用物品
 ・医療廃棄物容器
 ・患者固定に必要な担架、ストレッチャー等の移送・搬送用機材
 ・運転席と患者等がいる空間をビニールシート等で適切に分離すること

また、移送・搬送車は、患者の安全確保と移送・搬送後の車内消毒がしやすい構造であることが重要です。

隔離措置が可能な専用車両や消毒システムを搭載した車両を使用することが理想的でしょう。
新型コロナ感染患者の移送時においては「隔離可能なシステムの設置が難しい場合は、運転席と患者等がいる空間をビニールシート等で適切に分離すること」とされています。

参照元:6 移送に必要な標準的な機材(厚生労働省感染症の患者の移送の手引きについて)

参照元:コロナウイルス感染症患者等の移送及び搬送について(令和2年5月27日付け厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)

 

移送・搬送時の留意点

移送・搬送時の留意点

感染症患者の移送・搬送時には、以下の6つの留意点を心がけましょう。

 ・患者の人権に最大限配慮し、過度な感染防御措置を避ける
 ・標準予防策(手洗い、手袋の着用、マスク等の着用)を遵守する
 ・感染経路(空気感染、飛沫感染、接触感染)に応じた予防策を追加する
 ・移送・搬送後は車内の消毒を確実に行う
 ・移送・搬送スタッフの健康管理(移送・搬送後の健康診断等)を実施する

特に、新型コロナウイルスなどの接触・飛沫感染対策が必要な場合は、N95マスクなど個人防護具を正しく着用し、感染症患者と距離をとり、暴露しないように注意が必要です。
飛沫感染では、1m以上の距離が望ましいとされています。

スタッフ間で十分なコミュニケーションと情報共有を図り、適切な感染対策を実施する必要があります。

参照元:3 移送の実際(厚生労働省感染症の患者の移送の手引きについて)

 

移送・搬送後の消毒

感染症患者の移送・搬送後は、移送・搬送に使用した機材や車両の消毒が必須であり、以下の6点に留意して消毒を行いましょう。

 ・患者の血液・体液等が付着した部分を0.5% 次亜塩素酸ナトリウムで消毒し、さらに消毒用エタノールで拭く
 ・車内のその他の部分は0.05% 次亜塩素酸ナトリウムやエタノールで消毒
 ・金属部分はエタノールを使用
 ・使用した備品は高圧蒸気滅菌を行うか廃棄
 ・次亜塩素酸ナトリウム使用時は換気に注意し、金属腐食に留意
 ・エタノールは引火性があるため注意 

表面の消毒には、次亜塩素酸ナトリウムやエタノールが有効で、空間噴霧による消毒も併用することが望ましいでしょう。
消毒方法は感染症の種類によって異なります。

消毒方法や順番が守られていないと2次感染を起こす可能性があるので注意が必要です。患者の体液等の付着箇所と車内全体の両方を確実に消毒することが重要です。

スタッフ間で手順を理解して2次感染リスクを下げましょう。

参照元:4 各疾患ごとの移送後の標準的消毒方法(厚生労働省感染症の患者の移送の手引きについて)

 

【感染症対策】患者移送・搬送用感染対策グッズ

【感染症対策】患者移送・搬送用感染対策グッズ

感染症の患者を安全に移送・搬送するために、「DIFトランスバッグ」と「DIFフード」という優れた感染対策グッズを2点ご紹介します。

これらの対策グッズを活用することで、移送・搬送時の感染対策をさらに強化し、効率良くスタッフからの2次感染リスクを軽減できるでしょう。

 

DIFトランスバッグ

DIFトランスバッグ

セット内容
・DIFトランスバッグ1枚(標準タイプ=青
又は 特注タイプ=黄)
・送排気ユニット(ULPAフィルター付)1台
・リヒカ(顔面用)1枚、専用収納運搬用バッグ1個
・単2アルカリ乾電池8本
サイズ  L2,260×W690×H190mm(リヒカ最頂部 H350mm)
重量  約2.5kg
特徴
1. ディスポーザブル: ファーストレスポンダー(消防、検疫所、保健所)、病院向け。スタッフを二次感染から守る。
2. 使い勝手: ストレッチャーから車椅子、ヘリコプターまで広く使用可能。
3. ダブルセーフティ: ULPAフィルター付き送排気ユニットにより内部が陰圧となり、病原菌の拡散を防ぐ。
4. リヒカ: 顔の圧迫感をリヒカで解消し、患者の快適性を向上させる。
5. 電池駆動: 市販のアルカリ乾電池で送排気ユニットを駆動。
6. 軽量・小型: 収納と携帯が簡単。
7. メンテナンス簡易: 外側は水洗い可能。
8. 特注バッグ: 処置用手袋2組、酸素供給及び吸引用ポート付き。

DIFトランスバッグは、医療スタッフの安全(OSHAに準拠した二次感染防止)を確保し、感染症(細菌・ウィルス)患者を隔離移送・搬送するために開発されたディスポーザブルバッグです。

内部が透明で常時患者の観察が可能であり、多数のポケットが付いているため必要な医療機器の収納ができます。

防水で安全性も高く、市販の乾電池で駆動するため使用が簡易です。バッグ内部は陰圧となるため、飛沫や空気感染リスクが低減することができます。

 

DIFフード

DIFフード

セット内容
・DIFフード(ホース付)1枚送排気ユニット(ULPAフィルター付)1台
・腰ベルト1本、単2アルカリ乾電池8本
重量 約1.6kg
特徴
1. ディスポーザブル: ファーストレスポンダー、病院向け。スタッフを二次感染から守る。
2. 広い視野: 最小限の不快感で広い視界を提供する。
3. ULPAフィルタユニット: 陽圧と陰圧の両方に対応。スタッフと疑われる患者の両方に装着可能。
4. 用途の幅広さ: 救急車両、飛行機、船内などの狭い空間でも有効。院内移動用のアイソレーターとしても利用可能。
5. 防水かつ通気: 飛沫感染を防ぎつつ、通気口が付いており、長時間の使用に適している。

DIF フードは、顔や頭部を覆う形で取り付ける防護用フードであり、OSHA規制に準拠した二次感染の予防用品として開発されました。

防水デザインで、咳・くしゃみの暴露による飛沫感染を効果的に防ぎつつ、最小限の圧迫感と呼吸困難感で長時間の使用が可能です。

ULPAフィルタユニットにより、移送・搬送時の感染防止に最適です。

>>感染症患者移送・搬送用品の詳細はこちら

 

感染症患者の移送・搬送で安全対策は必須

感染症患者の移送・搬送で安全対策は必須

今回は、スタッフを2次感染から守り感染拡大を防ぐための、感染症患者の移送・搬送方法と安全対策用品をご紹介しました。

感染症患者の移送・搬送では、対応するスタッフの感染防止が最優先であることを忘れてはいけません。
適切な移送・搬送中の感染防止対策と移送・搬送後の車内消毒が、2次感染や感染拡大の防止につながります。

目の前の患者を速やかかつ安全に移送・搬送することだけでなく、スタッフの安全を考えた患者移送・搬送を心がけましょう。

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