救急車両の種類を解説!特別仕様車製作についても
  • 感染症
Date:2024/07/12

救急車両の種類を解説!特別仕様車製作についても

救急車両は、赤色警光灯とサイレンを使って緊急走行をする事を許可された緊急車両の内、患者の救急搬送や事故現場や災害現場への医師の派遣、血液の運搬など人命に直接関わる業務を行う車両です。
このため、道路交通法上、一般車両と比べると例外的に追い越しや路側帯への進入、信号無視や徐行義務の免除などが認められています。

しかし、特権が与えられる以上、救急車両には最大限の安全運転が義務付けられています。サイレンを鳴らし、赤色灯を点灯させる装置の装備が法令で定められているのも、緊急走行中の危険を防ぐためです。

今回は、人命に直接かかわる現場で活躍する救急車両、特に救急車両に様々な任務を持たせるためのカスタマイズ(特殊架装)について紹介します。

患者の搬送業務に携わる皆さんやDMAT隊員の皆さん、特殊架装車両の種類について知りたい一般の方もぜひ参考にしてください。

救急車両とは?

緊急車両は、緊急自動車が赤色警光灯を点灯させ、サイレン鳴らしながら緊急走行をしている状態をいいます。

緊急自動車とは「消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう」と道路交通法で定義されており、消防車や救急車、警察車両などの公共機関が運用する特殊な自動車のことです。

これらの車両は、緊急事態に備えて法律で定められた特別な権限が与えられています。

「道路交通法第39条第1項」によると、緊急自動車は、以下の5つの要件を満たすことで法令上の各種の優先や特例を認められます。

  1. 公共、公益的な機関の自動車
  2. 公安委員会の指定等の済んでいるもの
  3. それぞれの緊急用務を遂行する目的
  4. サイレンを鳴らし、かつ、赤色警光灯をつける
  5. 運転中のもの

また、緊急自動車の保安基準「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第231条」によると、当該自動車が緊急自動車であることを他の交通に示すものとして以下の4つの条件を満たした警光灯、サイレンを備えなければなりません。

  1. 赤色のものであること
  2. 警光灯は、前方300メートルの距離から点灯を確認できるものであること
  3. 消防自動車の車体の塗色は朱色、救急車・医師派遣用自動車・保存血液運搬車・臓器等運搬車は白、その他は制限なし
  4. サイレンの音の大きさは、その自動車の前方20メートルの位置において、90デシベル以上120デシベル以下であること

参照元:厚生労働省-道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)関係規定(抜粋)
参照元:道路交通法第39条第1項
参照元:甲府市 緊急自動車運行要領
参照元:長野県警 緊急自動車運行要領
参照元:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2009.03.24】〈第三節〉第 231 条(緊急自動車)

救急車両の種類

救急車両の種類

救急車両は、緊急走行が可能な緊急自動車であり、患者の救急搬送や事故や災害現場への医師の派遣、血液の運搬など人命に直接関わる業務を行う車両です。

ノルメカエイシアでは、このような救急車両について既に120台以上の製作実績があります。
以下で代表的かつ、ノルメカエイシアで製作可能な特殊架装車両の種類を紹介します。

DMATカー

DMATとは、2005年に発足した災害急性期に活動が可能となる機動性を持つトレーニングを受けた医療チームのことをいいます。
大規模災害などにより傷病者が多数発生した場合に、急性期(おおむね48時間以内)から活動を行います。

DMATの活動で活躍するDMATカーは特に緊急車両である事が必須ではありません。医師・看護師・業務調整員などで構成されたDMATが災害地や事故現場へ向かう際や患者を被災地から域外に緊急搬送する際には緊急走行が出来ることが望ましいですが、それだけではなく、災害地での長期活動のサポートや他の医療チームとの調整活動の中心となるような特殊な任務があります。

このため多目的特別仕様車として提案を行い、お客様の要望に従って、仕様を限定したり、逆に特化させたりした特殊架装を施した車両とします。

東京DMATカーは東京都の要求事項(長距離移動、被災地内での長期活動、医療調整業務)に対し、弊社から機能の提案を行った車両となっております。長距離進出に適するベース車両、患者搬送機能、宿泊機能、車載搭載型衛星電話、プリンター、Wi-Fiネットワーク、TVモニター、冷蔵庫、プリンター、サイドタープなどが搭載された車両になります。

ドクターカー

ドクターカーは、正式には医師派遣用自動車と定義され、医師が乗車し、傷病者がいる救急現場に向かう車のことをいいます。救急車は、事故現場、被災地から病院、または病院から病院への患者の搬送を目的としていますが、ドクターカーは医師を救命が必要な傷病者の元へ送り届ける事を目的としており、車両は小型で狭い場所でも速やかに駆けつける必要があります。

医師が現場で処置を行うことにより、救命率を高める役割をもつのがドクターカーですが、災害が発生してすぐに出動できるラピットタイプのDMATカーとしての製作も可能です。
特殊架装として屋根上にキャリーを設置する、衛星電話や無線機を搭載するなどの他、大容量のDC-AC変換器を搭載し、医療機器の電源確保や現場での充電ができる車両として完成させます。

救急車

救急車は、正式には救急用自動車と定義され、急病人や、交通事故などによる負傷者を病院に搬送する、または病院から病院への患者の搬送を行う車両をいいます。救急車は、ベッドや担架の他、傷病者の応急処置に必要な器具や、救命処置が必要になった場合の自動体外式除細動器、診察に必要な超音波画像師団装置、場合によってはエクモ装置などが搭載されています。

弊社では、標準幅ハイルーフ救急車(小型化することで狭い道の走行が可能でありつつ、オリジナルな車内レイアウトにより車内を十二分に活用)や、ワイド幅超ハイルーフ救急車(心臓マッサージが可能な室内高、左右動する防振寝台による車内での高度な処置が可能)などを製作しました。

お客様には、

  • 標準幅+ハイルーフ
  • ワイド幅+ハイルーフ
  • 標準幅+超ハイルーフ
  • ワイド幅+超ハイルーフ

の四種類からベース車両を選んでいただき、その上で特殊架装をご提案致します。
車内容積が充分に確保でき、一般的な免許証で運転できる事からDMATカーとしての製作することが多いです。

特殊救急車両

上記に記載した以外にもさまざまな救急車両は存在します。

  • 感染症患者隔離搬送車
  • 通信指令車
  • CBRNE除染医療車

それぞれ、特殊な目的に合わせ、弊社にて柔軟に設計された車両になります。

例えば、感染症患者隔離搬送車では、運転室と患者室が隔壁で仕切られ、HEPAフィルター付き陰圧装置で車内の陰圧状態を維持できます。また後部リフトで車椅子型アイソレータの収容や自重150kgの大型アイソレータの運用も可能です。地方自治体で運用される事が多く、赤色警光灯を搭載せず、救急車両として製作しない場合もあります。

また、CBRNE除染医療カーは、化学・生物・放射線・核・爆発物テロなどの災害現場で活動できるよう開発されました。ウォームゾーン(危険が及ぶ可能性のある場所)まで近づき、搭載された除染設備を使ってその場で汚染患者を除染し、収容して緊急処置を行った上で、病院まで搬送できます。

上記の通り、ノルメカエイシアでは、お客様の自由なご要望をヒアリングし、特殊架装車両の製作を行う事が可能です。

救急車両の種類・詳細はこちら

多目的特別仕様車製作について

多目的特別仕様車製作について

弊社が車両の製作をご相談いただいた場合、まずは様々な業務に対応する多目的特別仕様車として提案を致します。そこからドクターカー、救急車、DMATカー、定義に当てはまらないような特殊架装車両まで、お客様それぞれのご要望に合わせたカスタマイズを行います。

多目的特別仕様車の制作過程を以下の1〜6に紹介します。

1.お客様の要望を丁寧にヒアリング

弊社のスタッフがお客様を訪問し、車両に関するご要望をくまなくお聞きします。現場での運用場面をイメージしながら、自由に望む仕様をお話しください。例として多目的特別仕様車をご提示しますが、それにとらわれず、「これは無理だろうな」「これは難しい」という事も是非ご要望ください。創造的なアイデアを存分にヒアリングいたします。

2.弊社と架装メーカーによる専門家チームで最適な提案を検討

お客様の要望を具現化するため、弊社と協力企業の専門家で提案内容を綿密に検討します。場合により、病院所在地担当の警察本部や陸運局へ相談に赴きます。技術的な実現可能性と法令上の適合性を両立させた、最適な提案をご用意いたします。

3.お客様と協議して提案内容をコーディネート

弊社からの初期提案をお客様に確認いただき、イメージと異なる点がありましたら、再検討して修正案をご提示します。お客様のご要望も変化することもあるため、その都度調整を重ね、技術面と法令面で問題のない車両を製作していきます。この部分は最も時間をかけ、お客様の満足いく提案を作り上げることを最重要としています。

4. ご発注後、製作の設計図面を作成

お客様のイメージに沿った提案が固まり次第、正式にご発注いただきます。必要に応じて製作仕様書を作成した上で、設計用の詳細図面の作成に取りかかります。お客様より、設計図面をご確認いただき、最終承認をいただきます。速やかに図面通りに製作を開始します。

5. 中間段階で検査と支給品の準備

車両の製作が進み、車両の概要が確認できる状態となったら中間検査を実施します。お客様に工場内に来ていただく必要があります。実際の車両を確認して、図面ではイメージできない部分の最終確認を行っていただきます。お客様側で用意する機器を取り付ける場合は、製作スケジュールに合わせて支給時期を調整します。

6.完成車両の検査と車検手続きを実施

完成車両の製作が終了した後に、最終段階の検査を行います。お客様には、イメージ通りに車両が仕上がっているかご確認いただきます。
並行して、車検手続きの準備作業に入ります。車庫証明の取得や緊急車両の申請など、必要な手続きを弊社がサポートいたします。車検が完了し、納車された後には緊急車両の登録完了手続きがございます。

救急車両の調達を検討しているなら

救急車両の調達を検討しているなら

今回は、人命に直接かかわる現場で活躍する救急車両の概要と特殊架装車両についてご紹介しました。

事故現場、被災地、病院への派遣搬送業務など、救急車両に求められる機能は多岐に渡ります。1台の車両に全ての機能を持たせることは不可能であり、だからこそ車両を運用するにあたって明確な目的が必要で、それを実現できる車両が求められます。

株式会社ノルメカエイシア」は、日本で初めて災害や救急医療に特化した専門商社として事業を行っています。

主な事業内容は、薬品や医療機器の販売、災害・救急用品の取り扱い、そして災害医療に関する訓練の支援など、幅広い分野でお客様のニーズにお応えし、社会へ貢献しています。

救急車両の製作においては、既に120台以上の実績があります。この経験に基づき、お客様のご要望を最優先に考え、関係官公庁と密に調整を取りながら法令を遵守した製品を提供しています。

技術面での実現性と法令順守の両立を常に心がけ、最適なソリューションをご提案いたします。
当社の製品やサービスについてご興味があれば、気軽にお問い合わせください。

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